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■ クループ症候群

喉頭周辺が狭くなり息苦しくなる状態の総称をクループといいます。

①犬の遠吠え様咳:犬吠(けんばい)様咳嗽

②かすれた声:嗄声

③息を吸うときに苦しくゼーゼーいう:吸気性喘鳴

が3大症状とされます。炎症の種類と程度により、時には窒息状態に近い重度の呼吸困難に陥ることもあり、小さなお子さまにとっては楽観できない病気の一つです。その原因は様々で、麻疹(はしか)、インフルエンザ、RSウィルス、その他各種ウィルス、細菌の感染、あるいは感染症以外のアレルギー反応としてクループが発症します。元々は急性喉頭炎といえばジフテリアが代表でした。重症で死に至ることも多く恐れられていましたが、予防接種(三種混合、四種混合)の普及で日本ではその可能性はほとんどありません。ジフテリアを真性クループ、それ以外を仮性クループと区別していましたが、現在では「クループ症候群」という病名を用いることが多くなりました。その特徴的な咳により、診察室の外で待っている時点で診断がついてしまうこともあります。ヒブワクチン接種により、クループ症候群の中に含まれる重症で死亡率の高い喉頭蓋炎(喉頭蓋=物を飲み込むとき気道に誤嚥しないように蓋をする構造)が明らかに少なくなっています。高熱を伴う例、呼吸苦を訴える例、乳幼児例、過去に比較的重症で入院した経験のある例、ヒブワクチン未接種で喉頭炎症状がある例、などは要注意です。状態に余裕がある場合はボスミン(アドレナリン)吸入の効果をみて判断しますが、明らかに息苦しさが強いお子さまは嫌がる処置をすることで気道狭窄が急激に悪化して窒息に至ることもあるため、無用な刺激を避けてそのまま速やかに救急処置のできる医療機関に搬送するよう手配します。ケンケン、キャンキャン、ゴーゴーなどいろいろな表現がありますが、声が嗄れて苦しそうなな咳をするときには、夜間、早朝に関わらず救急外来の受診をご検討ください。

参考資料

20130423-仮性クループ
.pdf
ダウンロード:PDF • 193KB
20130423-クループ症候群
.pdf
ダウンロード:PDF • 148KB
20130423-クループ 急性喉頭炎
.pdf
ダウンロード:PDF • 69KB
20130423-仮性クループ 妹尾小児科
.PDF
ダウンロード:PDF • 271KB

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