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■ 「咳を止める」、「鼻水を止める」を考える

外来でよく交わされる会話に、「咳止めの薬がほしい」と「鼻水を止めてほしい」があります。咳には気道に吸い込んだ埃や異物、及び貯留した痰を外に出すための大切な役割があります。その目的が達成されれば自然と咳は止まります。細菌感染に対する抗生物質、インフルエンザの場合は抗ウィルス剤、アレルギーには抗アレルギー治療、喘息発作には気管支拡張剤の内服・吸入・貼付。それぞれの治療により痰の量が減り、気管支が十分に開いて痰の流れが改善すると、その結果として咳が減少します。咳を止めることで痰の排出が出来ず息苦しくなったり、気管支炎や肺炎、気管支喘息が悪化することも考えられます。咳という症状を止める治療は逆効果になりかねません。鼻水も同様に、意図的に止めてしまうことで逆に鼻づまりで苦しむことになるかもしれません。緩和させる程度の治療で、鼻かみ、くしゃみ、鼻水吸引(市販の鼻吸い器)で鼻水を取り除くことで睡眠や授乳・食事への影響を少なくする。感染症の軽快、アレルギー治療の効果、季節や天気の変化、室内環境(タバコやほこりなど)の調整により自然に鼻水が止まる、という方針がお子さまに優しい治療と考えます。

参考資料

20130430-咳・鼻水について - ある小児科医が伝えたいこと。(病気や予防
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