最近よく「ピロリ菌感染症」の話をよく聞くようになりました。胃内視鏡検査の結果を聞く際に、「胃に慢性胃炎の所見がありピロリ菌が陽性でした」と説明を受けた方も多いと思います。除菌療法が保険適応になり、3剤併用療法(内服)を勧められます。ピロリ菌は一度感染すると自然消失例はほとんどなく持続的に感染し、胃粘膜を傷つけて胃に炎症を起こします。慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫(悪性リンパ腫の1つ)、胃がんの原因になることが分かっています。ピロリ菌に感染していても、全員がかならず胃に病変ができるわけではありませんが、胃潰瘍の7割、十二指腸潰瘍の9割がピロリ菌感染によって起こり、除菌によって治癒する症例が多いとされています。ピロリ菌の感染は乳幼児期から始まり(口移し食事等)、6~10歳が大部分を占め、15歳以上になると感染陽性率は横ばいになるようです。最近、小児期の慢性腹痛や貧血にピロリの関与を考える必要があると言われ始めました。ピロリ菌感染は大人だけの病気ではないことを考えなければなりません。日本国内では小児ピロリ菌感染の正確な診断と治療が行える医療機関は少なく、順天堂大学医学部小児科・思春期科学教室がその一つです。以下の資料をご紹介いたします。
参考資料
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