「おたふくかぜは子どもの頃に罹って強い免疫を作っておかないと将来が心配」とおっしゃる方がいらっしゃいます。その意見の根底には「子どものころに罹ると軽い」という考えがあると思われます。決して軽く簡単な病気ではありません。おたふくかぜには無菌性髄膜炎、急性膵炎、関節炎、精巣炎、卵巣炎、急性脳炎などの重症合併症や後遺障害を残す可能性があります。また、唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)が腫れる以外には他の強い症状がなく元気に過ごした、あるいは罹ったかどうかもわからない軽症例、さらには感染しても発病しない不顕性感染であっても難聴を残してしまう場合があります。片側、ときには両側の感音性難聴となり回復はほとんど期待できません。自然感染は「もっとも副反応の強い予防接種」と例えられます。確かに強い免疫を残しますがリスクも高い。1歳を過ぎたら早めに一回目のおたふくかぜ予防接種を受けて、自然感染による健康被害をできるだけ回避する方法を選択されることをお勧めします。
参考資料
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