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「痛み」を考える

「他人の痛みは100倍でも耐えられる(倍数は正確ではありません)」という格言があります。ここでいう「痛み」とは、感覚としての痛みだけではなく心の痛みも含んでいると思います。痛みを訴える人を前にして、「そんな痛くないでしょう」と言ったり、「痛みはないはず」と考えたり、自戒をこめて反省しなければなりません。歯科医院での処置で「痛かったら手を挙げてください」と言われ何度手を挙げようとしたか?小児科では予防接種で同じような場面があります。もちろん暗示効果もありますので「この注射はほとんど痛みはありません」と話しかけますし、実際に薬の種類や接種手技により以前より痛くはないようです。それでも痛いか痛くないかは注射を受けたお子様の感覚ですから、痛いはずはないと思わずに、泣かなかった子には「すごい!」と褒めてあげる、激しく泣いた子には「よく頑張ったね」と声を掛ける。言葉がまだ出ない赤ちゃんにも同様に接するようにしています。「心の痛み」はさらに難しく対応には熟練の技が必要。自分自身で体験したことがなければ想像はできても理解をすることはできないかもしれません。「人に話をする」段階ですでに一歩前進し、話しながら自分で道を探る。話を聞く側も、意見を押し付けずにいっしょに考えてみる。100倍でも耐えられる「他人の痛み」の存在を想像する力が大切です。